Lesson 9サウル王は途方に暮れ、恐ろしさに震えていました。数も少なく、力も弱いイスラエル軍を攻撃するために、全ぺリシテ軍が集結していたからです。「サムエルがここにいてくれたら、どうすべきか教えてくれるのに……」と、サウルは呻き声を上げました。しかし、イスラエルの偉大な預言者は、数年前に亡くなっていたのです。
年老いた君主は、他の預言者や祭司たちから助言や導きを必死に求めましたが、主はサウルに語ろうとなさいませんでした。若者だったころ、サウルは神と親しい関係にありました。しかし、王位に就いて以来、彼は無慈悲になり、神のみ言葉に逆らいました。あるときなど、祭司の村の住人を皆殺しにさえしたのです。サウルは頑固に神の言われることを聞かなかったので、この難儀のときに神は彼に答えられませんでした。
サウルはしもべたちに言った、「わたしのために、口寄せの女を捜し出しなさい。わたしは行ってその女に尋ねよう」(サムエル記上 28:7)。神はご自分の民に、霊媒や口寄せを訪ねてはならない、とはっきり禁じておられました(レビ記 19:31;20:27)。しかしそのときのサウルは、神の絶対なご命令に敬意を払わなかったのです。
死人と話ができると主張する口寄せがエンドルで見つかると、王は変装してその女に会いに行きました。「サムエルを呼び起してください」(サムエル記上 28:11)と、サウルは女霊媒師に言いました。口寄せが呪文と魔法を唱え続けると、預言者サムエルと称する亡霊が現れ、まったく絶望的な知らせを王に伝えたのです。それは、サウルと3人の息子が次の日の戦いで死ぬであろうという知らせでした。
翌日、サウルの息子たちはペリシテ人によって殺され、その後傷を負い、望みを失った王は、自らの剣に倒れ伏して自害しました(サムエル記上 31:2-4)。だれが口寄せを通してサウルに語ったのでしょうか――よみがえった神の預言者でしょうか、それとも変装した悪魔だったのでしょうか。
1. サウルが見たものは、本当の預言者サムエルでしたか?
_____ 答え
2. 死者は生きている人と会話をするために戻ったり、生きている人に取りついたりしますか?
_____ 答え
注: いいえ。聖書の見解は明らかです。死者は何もせず、地上で起こっていることを何も知りません。
詩篇 115:17 死んだ者も、音なき所に下る者も、主をほめたたえることはない。
詩篇 6:5陰府においては、だれがあなたをほめたたえることができましょうか。
ヨブ記 7:10 彼は再びその家に帰らず。
イザヤ 38:18 陰府は、あなたに感謝することはできない。。
詩篇 146:4 その日には彼のもろもろの計画は滅びる。3. 黙示録によると、死の鍵を持っているのはだれですか?
_____ 答え
注: 聖書の見解は明らかです。イエスだけが死の鍵を持っておられます。死についての疑問に対する答えは、主のみ言葉の中に求めなければなりません。4. 神は初めにどのようにして人を造られましたか?
_____ 答え
注: 人間が創造された際に、2つのことが起こりました。(1)神はちり、つまり土から人を形作り、(2)その鼻に命の息を吹き入れられました。こうして人は生きる者となったのです。5. 死ぬとどういうことが起きますか?
_____ 答え
注: 人が死ぬ際に起きることは、人が創造された際に起きたことの逆です。体は塵に戻り、霊、つまり息は、与えてくださった神に帰ります。聖書は、神に帰る「霊」とは、神が初めに人に吹き入れられた「命の息」である、とはっきり教えています(ヤコブ 2:26「 霊魂」の元語は「息」「霊」、ヨブ記 27:3;33:4)。詩篇 104:29,30には、「あなたが彼らの息を取り去られると、彼らは死んでちりに帰る。あなたが霊を送られると、彼らは造られる。」とあります。6. 死ぬと人はどこへ行くのですか?
_____ 答え
注: 死者は義人も悪人も墓の中にいて、イエスが呼ばれる声を聞くとき、報いや罰を受けるために墓から出てきます。7. 聖書は、ダビデ王が救われたことをはっきり述べています。ダビデは今、天国にいますか?
_____ 答え
注: いいえ。使徒ペテロは、ダビデは死んで葬られ、天で生き続けていない、とはっきり言いました。ヘブル 11:32-40は、各時代の忠実な者たちは、まだ報いを与えられておらず、皆が一緒に与えられることを明らかにしています(39,40節)。8. 死ぬのは体だけで、魂は生き続けるというのは、本当ではないのですか?
_____ 答え
注: わたしたちは魂であり、魂は必ず死にます。人は不死ではありません。ただひとり神だけが不死です。よく言われている不死の魂の教えは、聖書に基づいていません。その教えは人が考え出したものです。9. いつ義人たちに不死が与えられますか?
_____ 答え
注: そうです。義人たちは復活のときに不死を与えられるのです。悪人たちに不死が与えられることは、決してありません。10. 聖書は死について、繰り返し何と言っていますか?
_____ 答え
注: 聖書は「死」を「眠り」とよく言います。死はまったくの無意識の状態で、15分でも1000年でも同じように感じます。死者はイエスに起こされるまで墓で眠っているのです。死者の霊が天使になっているとか、守護霊になって話し合うことができるとかいう説は、聖書に基づいていません。11. 霊媒や口寄せや心霊術者が死者と接触できないとすると、彼らはだれと接触しているのですか?
_____ 答え
注: 天の天使たちは、地上の人間を助ける「仕える霊」(ヘブル 1:14)と呼ばれています。サタンと共に天から落とされた天使たちも(黙示録 12:7-9)霊であって、人々を惑わすしるしを行う悪霊なのです(黙示録 16:13,14)。彼らは「あらゆる偽りの力と、しるしと、不思議と」を行い(テサロニケ第二 2:9)、「人々の前で火を天から地に降らせることさえ」できます(黙示録 13:13)。霊媒が死者と通じていると言うとき、実際にはサタンの堕落した天使たちと通じているのです。12. サタンはなぜ、死者の霊が生きている、とわたしたちに思わせたいのですか?
_____ 答え
注: 人類に対するサタンの最初の惑わしは、「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう」(創世記 3:4)でした。サタンは、死者の霊は死んでいない、と人々に信じ込ませたいと思っています。そうなれば、彼の仲間の天使たちが死んでしまった聖人や預言者、義人のリーダーたちを装ったり、「光の天使」(コリント第二 11:13-15)を装ったりすることができるからです。こうして何百万人もの人が惑わされます。このような悪霊を利用するのが「心霊術」です。心霊術は2つの思い込みに基づいています。(1)死者は生きている、(2)死者はあなたと接触できる。これはもっとも有害なサタンの教えです。しかし今では、ほとんど全世界の人々がそれを信じています。エンドルの口寄せはサムエルを呼んだのではありません。彼女はサムエルを装っている悪天使を見たのです。13. 終わりの時代にサタンが利用する悪霊は、どれほど有効ですか?
_____ 答え
注: サタンがその悪天使を通して行うしるし(魔術)で世界中ほとんどの人が惑わされます。14. 悪天使たちによるしるしを、神はどのように見ておられますか?
_____ 答え
注: モーセの時代、神はすべての心霊術者を死刑にするよう、お命じになりました。今日でも、魔術は肉の業であり、それによって人々が滅んでしまう、と力説しておられます。神は、人が心霊現象に道楽半分で手を出すと信仰から離れてしまう、と警告なさると共に、魔術を使う者は全員、火の池で(第二の死を)死ぬことになる、とおっしゃっています。15. 神はその民に、どのようなすばらしい力を与えてくださいますか?
_____ 答え
注: イエスは、ご自分が死から復活されたのと同じ生きる力をわたしたちにくださいます。すばらしいことです。そのようなすごい力を、しかもただで与えてくださるのですから、わたしたちは失敗することがありません。わたしたちを愛するがゆえに、イエスは悪天使たちの力としるしから離れるよう、厳粛に警告なさると共に、神の王国にわたしたちを備えさせるのに必要な聖なる奇跡を行うよう、提案しておられます(ピリピ 1:6)。16. 神が地上の出来事を完全に支配なさっておられることを知った今、神があなたの人生も完全に支配なさることを望みますか?
_____ 答え